コンテンツへスキップ
    トップに戻る

    2027年1月、介護WEBサービスへ移行 — 事業所がまずやるのは、数分の利用登録

    厚生労働省は介護保険最新情報Vol.1529で、ケアプランデータ連携システムを2027年1月に介護WEBサービスへ移行する予定を示しました。移行後も連携機能を使う事業所がまずやることは、電子請求受付システムの利用者IDとパスワードを用意して、介護WEBサービスに登録することです。所要時間は数分とされています。用語の整理、決まっていること・まだ決まっていないこと、自事業所の状態別の対応をまとめました。

    最終更新: 2026年8月8日

    2026年8月8日時点の情報です。具体的な移行期日は今後、厚生労働省から案内されます。

    1. まず、介護WEBサービスに登録する

    この記事の元になった通知(PDF) 介護保険最新情報Vol.1529

    移行後もケアプランデータ連携を使う事業所、これから使い始める事業所は、「介護WEBサービス」の利用登録が必要です。登録はすでに可能で、所要時間は数分とされています。

    用意するものは、電子請求受付システムの利用者IDとパスワードです。通知が示す登録の手順に、新たな契約や機器の購入は含まれていません。

    ケアプランデータ連携システムの証明書がインストールされているパソコンの場合、登録は次の6ステップで進みます。

    1. 登録サイトへ— 電子証明書がインストールされた端末で、介護WEBサービスを開く
    2. 事業所ユーザログイン— 「事業所ユーザログイン」をクリックする
    3. ユーザID、パスワード入力— 電子請求受付システムのIDとパスワードを入力してログインする
    4. セキュリティコード入力— 設定していない場合はこの手順は不要
    5. ワンタイム認証— 電子請求受付システムに登録済みのメールアドレスまたはSMSに届くワンタイム認証コードを入力して認証する
    6. 管理者ユーザ登録— 管理者ユーザを登録して完了

    この手順にカードリーダーは出てきません。カードリーダーが関わるのは登録後、マイナンバーカードで利用者の本人確認をする場面です(詳しくは6節)。

    登録すればすぐに紙やFAXがなくなる、という通知ではありません。

    登録の操作で困ったときは、ケアプランヘルプデスク(0120-584-708)に問い合わせできます。

    2. 介護情報基盤・介護WEBサービス・ケアプランデータ連携の関係

    名称が変わったわけではありません。現在は独立しているケアプランデータ連携システムが、介護情報基盤に統合され、介護WEBサービスの中で使う一機能になります。

    現在のケアプランデータ連携システムが、2027年1月に介護情報基盤へ統合され、介護WEBサービス内のケアプランデータ連携機能になる関係図
    介護情報基盤という土台の上に、介護WEBサービスという入口があり、その中の一機能としてケアプランデータ連携を使います。

    3. 決まっていること・まだ決まっていないこと

    決まっていること

    • 移行時期は2027年1月を予定
    • 2026年7月から12月が引っ越しの準備期間
    • 介護WEBサービスの利用登録はすでに可能で、所要時間は数分
    • 市町村(保険者)の介護情報基盤への対応状況によらず、事業所側の準備は必要
    • 介護WEBサービスの利用に、直接の費用は求められない。現行のケアプランデータ連携システムでかかっていた年額21,000円の利用料は、移行後は発生しない(なお2026年度中はフリーパスキャンペーンにより無料とされている)
    • 現行のケアプランデータ連携システムは、移行後一定期間を経て稼働を終了する予定
    • 説明会は2026年8月26日(水)13時30分から14時30分、YouTubeライブで実施(事前申込不要、対象は居宅介護支援事業所・居宅サービス事業所・地域包括支援センターの職員)。当日の内容は後日アーカイブ動画で視聴できる

    まだ決まっていないこと— 具体的な移行期日と、介護報酬における各種加算の取扱いです。いずれも今後、厚生労働省から改めて周知・案内されます。

    4. 自事業所はどの状態か

    最初に確認するのは、「介護WEBサービスの利用登録が済んでいるか」です。通知の3分類を判断順に並べると、次のようになります。

    介護WEBサービスの登録状況と現行のケアプランデータ連携システムの導入状況から、自事業所に必要な準備を確認するフローチャート
    介護WEBサービスへ登録済みなら改めての利用登録は不要。未登録の場合は、現行のケアプランデータ連携システムが導入済みなら介護WEBサービスへ登録し、未導入なら現行システムの導入と介護WEBサービスへの登録を行います。

    図にある手続き先

    「登録済みなら再登録不要」はVol.1529に明記されています。ただし、具体的な移行日、統合時の追加設定、現行システムの終了日は今後の案内事項です。「何もしなくても全機能が自動で使える」とまでは受け取らず、今後の説明会や公式案内を確認してください。

    5. 助成金の対象と限度額

    この節は、カードリーダーの購入や接続サポートの費用が発生する事業所向けです。

    実施主体は、公益社団法人国民健康保険中央会による「介護情報基盤の活用のための介護事業所等への支援」です。介護情報基盤ポータル経由で申請を受け付け、国保中央会経由で補助されます。2026年度の申請受付期間は2026年5月7日(木)から2027年3月12日(金)まで(予定)。対象は2026年4月1日以降に実施された事業で、予算には限りがあります。

    介護事業所・介護サービス提供医療機関向けの助成対象経費は、①カードリーダーの購入経費、②介護情報基盤との接続サポート等経費(介護保険資格確認等WEBサービスの利用に必要なクライアント証明書の搭載等の端末設定について、技術的支援を受ける場合に要する経費)の2つです。導入支援事業者から、介護情報基盤の接続サポートとケアプランデータ連携システムの接続サポートに必要な支援を一体的に受ける場合、その費用も対象になります。消費税分(10%)も助成対象で、下の限度額は消費税分を含む金額です。

    サービス種別限度額(①②合算)カードリーダー助成限度台数
    訪問・通所・短期滞在系6.4万円まで3台まで
    居住・入所系5.5万円まで2台まで
    その他4.2万円まで1台まで

    同一事業所で複数のサービスを提供する場合は、介護サービス種別に応じた助成限度額の合計を助成限度額とすることができます。申請はサービス種類ごとに1回です。複数のサービス種類がある場合は、まとめて申請することが推奨されています。PC、タブレット、スマートフォンは、この助成金の申請対象外です。

    主治医意見書を作成する医療機関向けの支援もあります。対象は、主治医意見書の電子的送信機能を追加する経費です。200床以上の病院は補助率2分の1・限度額55万円まで、199床以下の病院または診療所は補助率4分の3・限度額39.8万円までです。

    6. マイナンバーカードは必須? 保険者番号が主流?

    結論から言うと、どちらか一方が全事業所で必須・主流になるとは、現時点の資料からは言えません。まず、「事業所が介護WEBサービスへ登録する話」と「利用者を本人確認する話」を分ける必要があります。

    事業所の利用登録

    使うのは電子証明書と、電子請求受付システムのID・パスワードです。登録作業そのものに、利用者のマイナンバーカードやカードリーダーは使いません。

    利用者の本人確認

    ①マイナンバーカードを読み取る方法と、②介護被保険者証の券面情報を入力する方法が案内されています。保険者番号だけを入力する、という意味ではありません。

    マイナンバーカードを使う場合は、「マイナ資格確認アプリ」でICチップを読み取り、カード券面の顔写真と利用者本人を目視で確認します。この方法では、利用者のマイナンバーカードが健康保険証利用登録済みである必要があります。NFC機能を搭載し、単体でカードを読めるスマートフォン等なら、別売りのカードリーダーが不要な場合があります。

    介護被保険者証を使う場合は、券面にある保険者番号・被保険者番号などの情報を介護WEBサービスへ入力して本人確認します。そのため、「今後は保険者番号がログインIDの中心になる」という話ではありません。国保中央会の2026年5月版資料で2つの方法を確認する

    カードを使うことと、施設が預かることは別です

    マイナンバーカードで資格確認できることと、施設が利用者のカードを継続的に預かることは同じではありません。厚生労働省の資料では、カードは本人管理が基本です。本人の状況や希望に応じて家族が管理することも、入所契約や預かり証などの合意に基づいて施設が管理することも可能とされています。つまり、施設による預かりは一律の義務ではありません。

    Xで見えた、制度資料だけでは分かりにくい詰まりどころ

    介護職や入所者家族の投稿を確認すると、本人が認知症などでカードや暗証番号を管理できない、施設が貴重品としての預かりに慎重、遠方の家族が保管していて受診や更新のたびに調整が必要、電子証明書の期限切れや暗証番号のロックで役所へ何度も足を運ぶ、といった声が見られました。特に重いのは、紛失したときの責任だけでなく、日常の受け渡し、通院時の持ち出し、返却確認、更新期限まで継続して管理する負担です。ここでは個別の投稿を引用せず、複数の声に共通する実務課題として整理しています。

    考えられる運用は、大きく4つです

    本人・家族が必要時に持参

    施設は継続保管せず、受診や読み取りが必要な日に持参してもらいます。遠方家族との調整や、緊急時に手元にない可能性が課題です。

    その場で読み取り、すぐ返却

    医療機関の受付では、本人の希望により職員や介助者がカードを端末へ置くなどの操作を支援できます。本人の前で行う支援と、施設での継続保管は分けて考えます。

    合意を得て施設が継続保管

    入所契約や預かり証等を整え、鍵付き保管、出し入れの記録、管理できる職員の限定などを行います。施設のルールと責任範囲を先に決める必要があります。

    カードを預からない方法を選ぶ

    介護WEBサービスの利用者確認では介護被保険者証の券面情報を入力できます。医療機関の受診では、マイナ保険証による受診が難しい要配慮者は資格確認書を申請できます。

    施設で継続保管するなら、最低限ここまで決めたい

    • 本人・家族との合意を、入所契約や預かり証などで確認する
    • 鍵付きの保管場所と、取り扱える職員の範囲を定める
    • 取り出し・持ち出し・返却の日時と担当者を記録する
    • 暗証番号は、法定代理人でない職員には原則として知らせない。必要なら顔認証マイナンバーカードも検討する
    • カードと電子証明書の有効期限、更新を誰が支援するか決める
    • 紛失時の機能停止、警察への届出、市区町村での再発行までの連絡手順を決める
    • 夜間の緊急受診や家族不在時に、誰がカードを持ち出せるか決める

    厚生労働省の福祉施設・支援団体向け取得・管理マニュアルは、施設管理の条件と紛失時の手順を説明しています。また、暗証番号の管理が難しい人には、暗証番号を設定せず顔認証または目視確認に限定する「顔認証マイナンバーカード」があります。ただし、マイナポータルや各種オンライン手続など、暗証番号が必要なサービスは利用できなくなります。

    なお、医療保険の「資格確認書」と、介護WEBサービスで入力する「介護被保険者証の券面情報」は別のものです。どちらもカードを預からない選択肢になり得ますが、使う場面を混同しないよう注意してください。

    別売りのカードリーダーを選ぶ場合は、対応機器の公式案内を購入前に確認してください。Bluetooth接続製品は使えないものが多く、スマートフォン・タブレット・PCはこの助成金の対象外です。

    7. 運用のTips

    ここからは編集部の提案です。厚生労働省の通知に基づく事実ではありません。

    電子請求受付システムのIDとパスワードを、担当者一人に依存させない— 登録にもワンタイム認証にも、IDとパスワード、それに認証コードが届くメールアドレスやSMSを使います。これらが一人の端末やメモにしかない状態だと、その人が不在のときに作業が止まります。管理方法に不安がある場合はパスワード管理ガイドも参考にしてください。

    確認しておきたいこと

    • 自事業所が(1)(2)(3)のどれに当たるか確認した(4節)
    • 電子請求受付システムのIDとパスワードを用意し、介護WEBサービスに登録した
    • IDとパスワード、認証コードの受信先を、複数人が把握している
    • カードリーダーが必要な構成かどうかを確認した(6節)
    • 助成金を使う場合は、対象経費と限度額を確認した(5節)