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    NPO法人はOK、社会福祉法人はNG? — 非営利プログラムの「法人格の壁」を横断比較する

    「非営利団体向け」と銘打たれたプログラムでも、日本のどの法人格が対象になるかはサービスごとに驚くほど違います。NPO法人なら通るのに社会福祉法人は対象外、逆に社会福祉法人が名指しで対象のものも。主要サービスの適格条件を一次情報から横断比較し、自分の団体の法人格で何が使えるかを見通せるようにします。

    最終更新: 2026年8月1日

    2026年7月時点の各社公式ページ・公式PDFにもとづきます。適格性の最終判断は各サービスの審査によります。凡例: ○=対象と明記 / ×=対象外 / △=条件付き / −=公式に明記なし。

    1. 「非営利向け」の定義は、サービスごとに違う

    当サイトの運営メンバーが所属する団体は社会福祉法人です。LINE WORKSの非営利特別プランを調べたとき、対象外の法人格として「公益法人、社会福祉法人、宗教団体、学校法人、医療法人…」と明記されているのを見つけました(詳細は別記事)。一方で、GoogleやMicrosoftのプログラムでは、社会福祉法人は「所轄庁の認可を受けた法人」として名指しで対象に含まれています。

    つまり「非営利団体向け」という同じ看板でも、各社が想定する「非営利」の範囲はまったく別物です。この記事では主要8サービスの対象法人格を一次情報で突き合わせ、どこに壁があるのかを整理します。

    2. 横断比較表 — サービス×法人格

    サービスNPO法人社会福祉法人公益社団/財団一般社団/財団任意団体
    LINE WORKS特別プラン×(明記)×(明記)△(非営利型のみ)
    サイボウズ チーム応援−(リスト外)−(リスト外)○(非営利型)△(4要件)
    Google for Nonprofits○(明記)×(法人格必須)
    Microsoft非営利○(明記)○(非営利型)−(記載なし)
    Canva Nonprofits△(Goodstack審査)−(明記なし)
    Slack非営利割引△(TechSoup経由)△(TechSoup経由)△(TechSoup経由)△(非営利徹底型の一般社団のみ)×(TechSoupが対象外)
    Box.org(TechSoup経由)△(TechSoup経由)△(TechSoup経由)△(TechSoup経由)△(非営利徹底型の一般社団のみ)×(TechSoupが対象外)
    TechSoup Japan登録△(一般財団は×と明記)×(明記)

    ※学校法人・医療法人はさらに厳しく、Google(教育機関・医療機関は別枠で除外)、LINE WORKS(明記で対象外)、TechSoup Japan(登録自体が対象外と明記)と、確認した範囲ではほぼ全滅です。

    SlackとBox.orgはTechSoup Japan経由での申請になるため、「TechSoupに登録できる法人格か」が実質の入口条件になります。TechSoup Japanの公式ページは、登録できる種別として特定非営利活動法人・社会福祉法人・公益(社団・財団)法人・一般社団法人(非営利徹底型)・公共図書館を挙げ、任意団体(法人格ナシ)・一般財団法人・学校法人・医療法人を対象外として明記しています。上の表のSlack・Box.orgの行は、この入口条件から導いたものです(各社が自社ページで日本の法人格別に明示しているわけではないため△表記にしています)。

    つまり一般社団・財団のうち、TechSoup経由のサービスに進めるのは非営利徹底型の一般社団法人だけで、一般財団法人は入口で止まります。同じ「一般社団・財団」でひとくくりにされがちですが、ここは分かれ目です。

    3. 壁のパターンは3つある

    比較してみると、「対象外」の書かれ方には3つのパターンがあることがわかります。

    • 明記型: LINE WORKSのように対象外の法人格を列挙するタイプ。判断は明快で、申請前に諦めがつきます
    • リスト外型: サイボウズのチーム応援ライセンスのように、対象リストに載っていない(社会福祉法人・公益法人などの記載がない)タイプ。明示のNGではないため、問い合わせや審査で判断が変わる余地があります。サイボウズの場合は「上記以外の非営利団体はアカデミック/ガバメントライセンスの対象になる可能性がある」という別導線の案内もあります
    • 認可条件型: Google・Microsoftのように「所轄庁の認可を受けた社会福祉法人」など、法人格ごとに確認書類・認可要件を定めて対象に含めるタイプ。申請資格を事前に確認しやすい形ですが、最終的に承認されるかは各社の審査次第です

    なぜこの違いが生まれるかについて各社の公式説明はありませんが、プログラムの狙いの違いは読み取れます。LINE WORKSやサイボウズの特別プランは「フリープランでは足りない小規模な草の根団体」への支援という色が濃く、経営基盤を持つ制度法人はその想定から外れているとみられます。一方、GoogleやMicrosoftのプログラムは世界共通の非営利支援の枠組みで、各国の法制度に合わせて適格法人を定義しています。

    4. 自分の団体で確認する手順

    法人格の壁で無駄足を踏まないために、申請前に次の順で確認するのがおすすめです。

    • ①対象法人格の原文を読む: 「非営利向け」の見出しだけで判断せず、適格性(eligibility)のページで自団体の法人格が書かれているかを確認する。日本語ページに詳細がない場合、英語の国別リスト(MicrosoftはPDF)に日本の条件が書かれていることがあります
    • ②認証経路を確認する: Goodstack審査(Google・Canva等)かTechSoup経由(Slack・Box等)かで、必要書類も入口条件も変わります。詳しくは GoodstackガイドTechSoupガイド へ。なお、Goodstackが担うのは「この団体は実在し、非営利の性質を持つか」の確認(認証)までで、「この団体はこの割引の対象か」(適格性)は各サービスが独自に決めています。だから「認証は通ったのに個別サービスの審査で落ちる」ことが起こります。却下されたときは「Goodstackに落ちた」で止めず、どのサービスのどの基準に合わなかったのかを確認してください
    • ③「リスト外型」は問い合わせる: 明示のNGがないサービスは、法人格と活動内容を添えて公式窓口に確認する価値があります
    • ④更新条件もみる: たとえばGitLabの非営利プログラム(Ultimate最大20席無料)は毎年の更新手続きが必要で、年間の寄贈上限に達すると先着順で受付が締め切られます。「一度通れば永続」とは限りません

    対象外だった場合も、通常のフリープランは法人格を問わず使えるのが一般的です。個別サービスの代替案は サービス一覧(トップページ) から法人格の条件とあわせて確認できます。

    5. 出典リンク

    SlackとBox.orgの行は、両社が日本の法人格別に明示しているわけではなく、申請の入口であるTechSoup Japanの対象・対象外の明記(2026年8月確認)から導いた条件付き(△)表記です。各社側の適格基準(Slackは学校・大学・病院・医療保険・私的助成財団を対象外と案内)も別途かかるため、最終的な可否は各社の審査によります。他のセルの判定は2026年7月〜8月時点の公式記載にもとづきますが、審査基準は変更されることがあります。掲載内容の誤りにお気づきの際は、お問い合わせからご指摘いただけると助かります。

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